特別な日に。

前の日も次の日の今日も東京はいいお天気なのに、

よりによってあり得ないくらいの大雪になった成人の日。

さる年の子どもたちの、ちょっと間の悪いとほほな感じがここにも。

我が家の娘もそのひとりでした。

皆前撮りしてるよ!と去年からさかんに言ってるのも聞こえないふりして

ぎりぎりまで準備も出来ずに

私が着た着物を送って!と実家の母にお願いしたまま

中身を確認したのは数日前。

スタジオに持ち込ちこんで

足りないもののチェックをしていただき、

それを揃えるのが精一杯。

重ね衿って何?って

今時の成人式着物のはやりとかには

まったく神経を使う余裕がなく、当日を迎えてしまいました。

 

真っ黒に日焼けして、パンパンに太っていた二十歳の私。

あまりに似合わなくて着物そのものが苦手になってしまったという曰く付きの振り袖です。

古い着物、しかもあの着物で大丈夫かなぁと、不安に思いながら迎えた日。

それを娘がとても素敵に着てくれました。(すみません。親馬鹿です はい。)

自力で娘に着物を作ってやることなど出来ない今の私には

母の想いがこの日につながったのか、と感慨深いものがありました。

大事に手入れをして、保管して、孫が着てくれたら素敵なことですねぇ。

着物にはそれが出来るってすごいこと。

とてもきれいに、なおかつ楽に着付けていただき、

いつまでも名残惜しそうに着物を脱がずにいた娘。

いい1日になりました。

 

前日まで、西宮阪急の店頭で店番をしていたのですが、

入学式のためにとパルレシフォンの服を

選んで下さるお客様が何人もいらっしゃいました。

その大事な1日のために、選んでいただけることの嬉しさと

同じくらいの責任を感じて

自然にどうか、素敵な一日になりますようにと祈りをこめて

ブラウスやワンピースをお包みし、お客様に手渡しておりました。

 

娘の着付けとヘアメイクをしてくださった方たちが、

成人式も、結婚式も、七五三も、

私たちの仕事にはいつも「おめでとう」の言葉がついて来る

いい仕事だと思いますとおっしゃっていました。

 

思い出に残る大事な一日。

おめでとう の言葉と一緒にある服。

身にまとうものには、こんな素敵な場面と役割があることを

あらためて心に刻む機会になりました。

普通の毎日の時間と

特別な日の特別な時間。

それぞれにふさわしい、愛しく思える服を

お届けしていきたいな、と思います。

 

親馬鹿ついでに、1枚。

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