服を作ること 売ること

短い休暇は一泊二日で友人の真鶴の別荘へ。

その素敵な報告はまた改めてさせていただきますけれど、

その時に皆で SCRUMPCIOUS というお店に伺いました。

今発売のku:nelの中の「真鶴にて」という記事になっているお店。

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1ヶ月か2ヶ月に1度しかオープンしないという日に

たまたま当たっていたのもあり、

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(上記写真は2点とも scrumpcious のblog より拝借しました)

ku:nel の記事に加えてこのエクラの写真が可愛くて!と

友人は気になってたらしく、行こう!行こう!わいわい!と

皆で出かけました。

 

本当に住宅街にある、普通の民家というか

元は民宿だったという家。

靴を脱いで2階に登るとそこがショールームとなっています。

1点ずつ、このブランドのご夫婦の手縫いで作られている服。

素材も海外で見つけて持って帰ってくる、という

アンティークのもありそうなもので。

流行とか、そういうものとは違う次元のクリエイション。

アンティークの食器や、雑貨や、

フランスで同じように1点ずつ作られているという女性のブランドの服を

買い付けたという鼻血が出そうに可愛いドレスがあったり

とても素敵なところでした。

 

わたしは、この手のデザインは、まるで似合わない自信が大ありだったので、

手を出せずにいたのですが、いつもおしゃれなもの、モードなものまで着こなす友人には

とても良く似合っていて素敵だったり、

スタイリストさんは、雑貨や布を買っていたり

それぞれにそれぞれの買い物を楽しみました。

 

基本的に、展示期間が終わってからのお届け。

それから作ります のものもありで、

その場では持って帰られないのですね。

私はピアスをひとつ、オーダーして帰ってきました。

出来上がりを待つお買い物。

 

ひとつだけ、現品限りという可愛いスカートを買って帰った友人あり。

すごーく素敵な変形5角形の紙箱に入っていたのですが、

どう見ても、この箱は手づくり。うーん。すごい。

カルトナージュで作られておりました。

なかなかここまで出来ないぞ。

 

自分の作りたいイメージが明確に頭の中にあり

手間を厭わず全て自分の手で作り出している世界観に

教えてもらうことがたくさんあった時間でした。

 

量的に手縫いに限界がきたらどうなさるんだろうとか

それだけ手をかけて採算はあうんだろうかとか

売れれば売れるだけ、あの箱を作るんだろうかとか

お休み、ちゃんと出来てるんだろうかとか

同業としてはいらぬことまで心配になったりしながら

でも、とても幸せな服たち とても幸せなブランドだと

そんなことを感じたのです。

 

わたしたちも、最初は1枚ずつオーダーを受けて作っていたなぁ と

久しぶりに思い出しました。

これほどアーティスティックなものでは

もちろんなかったけれども。

 

工場で縫ってもらっていても、

1枚1枚、1本1本のステッチは全部、人の手が縫うものです。

服というのは、機械だけでは作り出せないもの。

 

素材を選び、着心地の良さや

使い勝手の良さの塩梅を考えながら

最初にイメージしたデザインと合わせていく。

 

ああでもない、こうでもないと

企画のスタッフは知識とアイデアを惜しみなく出してくれて

素材と付属を段取り、仕入れ、こういう素材、デザインを縫うのが上手な工場を選び、

皆で意見を言い合い、パタンナーさんにも意見してもらい

サンプルが出来ても、まだまだ何度も修正が必要だったり

価格との折り合いを考えると

素材にも、仕様にも、おのずから限界があり

理想と現実の間で悩みながら

そんなたくさんの考えと知恵と感覚を集めて

やっと1枚の服が形になります。

 

その魅力を何とか伝えたいと

写真を撮るにもカタログを作るにも

webショップを作るにも

またコツコツと様々な作業を積み重ねます。

思うようにならないのは、ただただ力不足、と思いながら

次こそは、と努力を続けていくのです。

 

それを、どんな規模で、

どんなシステムでやっているか

そういうことが違うだけで、

関わっている人間の必死さや、真摯な思いには、

あまり違いがないのかもしれません。

 

100のブランドがあれば、

100のスタイルがあるのでしょう。

 

パルレシフォンには、

パルレシフォンのスタイルが。

 

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わたしたちの秋冬コレクションが

そろそろ少しずつ店頭に並び始めます。

ホームページでもご紹介して参ります。

 

撮影の時、本当に洋服というのは、

中に人が入ると生き生きするんだなぁと思いました。

この服、大好き!っと言って頂けるような服を

見つけて頂けますように。

 

今シーズンも、パルレシフォンを

どうぞよろしくお願い申し上げます。

 

 

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