着物

 

気仙沼に、たかはし着物工房 というところがあり

そこの女将の高橋和江さんが

私の着物の師匠です。

たかはし着物工房は、元々は京染やさんで悉皆屋さん。

着物をみんなにきれいに、楽に、楽しく着てもらうためには、と

和江さんが考え抜いて作られた

着物のための下着や小物を作り、販売していらっしゃいます。

実は業界ではかなり有名なメーカー。

そして、上手に着物を着こなすには最強アイテムが揃ってると

私、確信してます。

いろいろ、ちょっとお高いけれど

これ、持ってると、着物きれいに着るのが

めちゃくちゃ楽になる、ってものが揃ってます。

私も時間かけて少しずつ揃えてるところ。

 

そこの社長である和江さんが

直々に、みっしり教えてくださる着物講座。

連休の2日間、朝から夕方まで

ヘトヘトになりながら、着付け修行をしてきました。

実は2年前に浴衣教室に1回、

着付け教室にも1日だけ参加したことがあり

本来ならもうすでに自分で着られててもいいのに

着ないとすぐに全部忘れるから

相変わらず自分で着て出かけるとか無理!って感じでしたが、

1日目は着て帰り、2日目は初めて自力で着付けて

教室まで出かけることが出来ました。

今度こそ、身に付けたいから、そして上達したいから

忘れないように、週に1度は練習したいと思ってるのですけれどもね。

 

洋服屋だから、私。

着物にハマるわけにはいかないのだけれど

着物文化にはとても興味があり

というか、今その技術が

本当になくなってしまいそうだと聞くと

居ても立っても居られないような気持ちになります。

それでいいの?日本の大事な文化だよ、って。

詳しいことは、まるでわからないけども

糸から織りから染めから

刺繍も、仕立ても、洗いも

長い時間をかけて蓄積されたはずの文化。

職人さんがいなくなると、その技術は

いともたやすく途絶えてしまう。

それでいいのかなぁって。

 

とはいえ、

着物は、洋服に比べると桁違いに高額なものだから

容易く貢献出来るわけではなくて

今はリサイクルで、手軽に500円の着物なども

買うことが出来るから

和江さんに言わせると、若い女の子がそれを楽しむのはいいけど

経済力のある大人は、ちゃんと買ってください!っておっしゃるのも

本当に切実に分かるような気がします。

技術を守るためには、

それはきっと本当に大事なことだと思います。

 

30年前に母が嫁入り道具として誂えてくれた喪服。

30年ぶりに父の葬儀で着ることとなりましたが、

まだ仕付け糸がついた状態でした。

それを取ろうと手にとって、

その白い絹糸の迷いのない針目の美しさに息を呑みました。

まるで芸術品。

人間の手でこんなことが出来るのか、と

自分も身にまとうものを作ってるものの端くれですから

本当に、驚嘆したのです。

糸をほどくのが本当に勿体無かった。

全部の仕付けを取った後に、

衿先に私の名前が白く染め抜かれてるのを見つけて

なんというか、着物というもののすごさに

感じ入ったのです。

そして、これは、時間を超えて

受け継いでいくことが出来るのですよ。

洋服とは違う種類の奥深い文化。

 

基本は細長い布で、カーブがあるわけではなく

長さで寸法を調整するようになっていて

ほどいて、洗い、仕立て直したり、染め直したり、

寸法を直したり、男物を女着物に、着物を羽織りに、帯に

残った布は帯揚げにも巾着にも作り変えられる。

本当に最後は布が裂けるまで使ってきたのですね

ほんの数百年前まで、私たち日本人は。

 

和江さんの話は、ひとつひとつが全部

興味深く、勉強になり、

着物の話だけじゃなくて

ものづくりをして、在庫を抱えながら商売をしてる

先輩としても、その情熱とスケールの大きさと

抜けるような明るさに勇気をいただくのです。いつも。

震災で、本当に本当に、大変だったのに。

 

日本で洋服を作ってても

ちょっと意味は違うけれど、

生産現場が心配なのは

ある意味似た状況です。

長い間続けていらした縫製工場を

閉められるところが本当に多い。

高齢化に加え、それを継がせることがいいことなのか、と

悩まれる方が多いのも分かります。

にこにこしていただけるような工賃を払いたいけれど、

そうすると、店頭で売れる価格の商品は作れない。

中国に持っていく意味を出すには、

ひと桁違う数量が必要となると

弊社のような零細企業では手の出る話ではなく

その前に、日本国内の生産現場をなくしていいのか!?と

そういう思いも大きくて。

 

丁寧に良いものを作り、

適正な価格で販売出来れば、

少しずつでも良い方向に近づいていけるはず と信じて

頑張っていくのだ!と

お客様も、工場も、私たちも

笑顔になれる商いを目指していかなくちゃと思います。

 

卒業式に袴、がブームで

卒業式のための服をご用意している弊社としては

悩ましいところ、と話すと、

「あー、ごめん、それ仕掛けたの私かもー」って和江さん。

んー、やられました。笑

でも大丈夫、このところ、わたし

着物がちょっとでも子供達に身近になるなら

悪いことじゃないし

共存していけばいいよねって気持ちになり始めてましたよ。

 

フォーマルカタログは印刷工程に入りました。

間もなく仕上がってまいります。

入学式卒業式には今年は関係ないという

多数のお客様にも少しでも楽しんでいただけるようにと

考えた商品もございます。

どうぞ、もう少し、お待ちくださいませね。

 

今日も明日も、いい1日を!

KEEP SMILING!

 

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